ポストダシュ
「海外ポスト」 シリーズ/K005


●夏休みスペシャルゲスト編 インド

明け方近く、列車はGAYA(ガヤ)という駅に止まりました。私達3人は 駅前で一杯のチャイを飲み、ブッタガヤまでの交通手段を探します。20キロの道のりをサイクルリクシャーではかわいそうだと思い、タクシーやオートリクシャーを探すけど見つかりません。バスは半日待たないと無い との事。バスも乗ってみたかったので悩みましたが、結局 サイクルリクシャーを交通手段にすることにしました。2台に分乗するのが無難だろうと思っていると、1人の力車マンが言いました。「3人まとめて送ってやるよ、ノープロブレム。」ノープロブレム。インドで一番信用してはいけない言葉の1つです。「まぁ 何かあっても歩けない距離じゃないよな。」私達はその男のサイクルリクシャーに乗り込みました。

リクシャーは日本の初夏の朝の様な風を切って走ります。でもやはり ガヤの街が見えなくなる頃からペースは落ち、彼の顔には後悔の色が・・・。もう前を見ても 後を見ても、右も左も大草原。走るしかありません。私達の「休もうよ・・」の言葉にも、彼はただ「ノープロブレム」。そして彼は インドにあっては珍しいことですが、ノープロブレムで私達をブッタガヤの入口まで連れて行ってくれました。

ブッタガヤの街に降り「ここに泊まるといいよ」と教えてくれた宿はお寺!ゲストハウスが付いていて、1泊4ルピー(当時12円位)でした。部屋に荷物を置き、外に出ました。街の少しにぎやかな方に進むと 1台のバスが・・・。良かった、半日バスを待たなくて・・・。サイクルリクシャーのおじちゃん、ありがと。快適だったよ。

ブッタガヤは何も無い とても田舎の街ですが、ブッタがその下で悟りを開いた菩提樹(ぼだいじゅ)があることで有名です。この写真の右側に(写ってはいませんが)見慣れた日本語の看板があります。マリンブルーの下地に白抜きの文字で『大丸インド店』。そう あの東京駅の大丸デパートの支店? があるのです。売っているものは・・・・、数珠・仏像・菩提樹の葉っぱ。店員さんは説明します。「日本人はとても信仰心の厚い仏教徒だ。ここで買わないと後悔するよ!!」

この写真にはおじいさんが1人。でも実は周りにたくさんの子供がいます。カメラを向けるとファインダーの中に飛び込んできます。そして「今 僕を写したでしょ。モデル料ちょうだい。1ルピー。」「俺達は日本から来たプロのフォトグラファーだよ。モデル料1ルピーあげてもいいけど、君達の撮影料は1人10ルピーだよ。」。そんな会話をしている間に、この歩みの遅いおじいさんは写真の左端からこんな所まで歩いてきてしまいました。

インドのポストも赤いんですね。前の写真のおじいさんがいた所。ここが郵便局の前でした。この街はとても時間の流れが穏やかなので、なんだか手紙を書きたくなりました。街でカードを買い、日本にいる友人に手紙を書いたりしながら過ごしました。こののんびりした場所で、お釈迦様は何をさとったのでしょう。お盆にしか墓参りに行かない パートタイム仏教徒の私は、当然 何も悟ることもなく、大丸インド店の数珠や仏像に後ろ髪を引かれることもなく、ただこの街の人達との楽しかった思い出を胸に この場所を後にしました。

それから1ヵ月後、日本でのいつもの生活に戻った私は、大都会の東京の片隅である悟りを開きました。"やっぱりインドからの手紙は届かない!!"

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